コストダウンを可能にしたバタフライの技術の蓄積

土屋が最初にバタフライの経営陣からその命を受けたのは数年前のことだった。それから『ロゼナ』誕生まで、その道のりは順風満帆というわけではなかった。

「バタフライを代表するラバーとして『テナジー』シリーズがありますが、このシリーズは発売以来、当社の契約選手をはじめ、トップ選手や中~上級者を中心に幅広く好評を博しています。
しかし、高性能・高品質で、かつ、リーズナブルな製品をお求めのお客様に応えられるラバーは、提供できていない状況が続いていました。そこで、より幅広い層の方に使っていただけるような性能と品質に加えてコストパフォーマンスを兼ね備えた製品をつくり出すことが、私たちのミッションでした。そして、発売に向けて、数年前から社内で準備しておりましたが、性能・品質と価格のバランスを取ることが難しく、何度か見送られてきました。

それが、リオオリンピックでの日本選手の活躍で卓球がかつてないほどの注目を浴びたことや、引き続きリーズナブルなラバーに対する要望が多かったことなどから、いよいよ発売すべきとの決定がなされたのです。
しかし、発売にこぎ着けるまでには、越えなければいけないいくつものハードルがありました。そもそも「高性能・高品質」と「低コスト」は相反するものですから、目指す性能や品質を満たすラバーの仕様を固めていくことは大変な作業だったのです。

その中でも、最も難しかったのが価格の問題でした。価格を低く設定するためには、製造原価(製品を製造するのに要する費用)を抑えなければいけません。
通常、製造原価を削減しようとすると、性能や品質も落ちてしまいますが、それでは本当の意味でお客様のニーズに応える製品をつくることはできません。しかし、バタフライには長年のラバー開発における技術の蓄積があるので、そのノウハウを生かして、可能な限り性能と品質を落とすことなく、製造原価を削減することにチャレンジしました。

具体例を挙げると、スポンジに関しては一から研究するのではなく、『テナジー』シリーズで実績のある「スプリング スポンジ」をベースにしています。「スプリング スポンジ」は『テナジー』シリーズや『スピンアート』で製造してきているので、安定的に高品質のスポンジをつくる準備が整っているからです。
「スプリング スポンジ」の生産工程は、発売以来何も変えていないというわけではなく、1枚の大きなスポンジ原板からより多くの製品用のスポンジが取れるように、生産効率を上げるなどの努力を続けています。また、『ロゼナ』のスポンジも他の「スプリング スポンジ」とできるだけ同じ製造工程にするなど、小さな工夫の積み重ねで製造原価を削減することに成功しました」

バタフライを想起させるロゼ色の「スプリング スポンジ」

『ロゼナ』のコスト削減に一役買った「スプリング スポンジ」だが、そのカラーの選定には社内で議論があったという。

「『テナジー』シリーズではスポンジのカラーにエナジーレッドを採用しましたが、今回はいくつか意見が分かれました。その候補の一つがロゼ色でした。
ロゼ色は見た目にも美しくインパクトがあります。そして、バタフライのロゴマークにも使われている色なので、ブランドを強く印象づける色としてもふさわしいということで、採用が決まりました。『ロゼナ』というネーミングは、スポンジの色である『ロゼ』からイメージされた造語です」 その名の由来ともなったロゼ色の「スプリング スポンジ」だが、コスト削減に貢献したのはスポンジだけではない。

「開発コストを大幅に削減できたことも、バタフライのラバー製造の歴史があったからこそです。例えば、ハイテンション技術や、シートのツブ形状・配列、ラバーの製法、品質管理方法などについての研究の蓄積があり、そのおかげで、目標とした性能と品質に適した仕様に設計することができました。 『ロゼナ』は性能においては『テナジー』シリーズに譲りますが、バタフライの技術の粋を尽くして開発、製造されているという点では、自信を持って多くのプレーヤーに使っていただけるラバーに仕上がっていると申し上げます」

製品情報

ロゼナ

ロゼナ

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※記載価格は、メーカー希望小売価格です

"トレランス"を追求したハイパフォーマンス ラバー『ロゼナ』

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